中国工程院院士(アカデミー会員)の鍾南山氏は7日のインタビューで、重症急性呼吸器症候群(SARS)の再発に備え、市民らにインフルエンザの予防接種を呼び掛けた。
鍾氏は、今冬から来春にかけてSARSが再流行する可能性があるため、各方面は早期に適切な予防策を取るべきだと指摘。「インフルエンザとSARSは病状が似ているため、SARS感染の確認には時間がかかる」とした上で、(1)インフルエンザの予防接種を広く行えば、SARSの疑い例患者や誤診が減り、医薬品の乱用も防ぐ(2)患者がパニックになるのを防ぎ、社会の安定が保たれる――とインフルエンザ予防接種の効果を説明した。
また鍾氏は、SARSワクチンの開発にはまだ時間がかかり年内の実現は難しいとの見通しを示した。SARS感染者が再び発生しているとのうわさについては、広州では現段階で新たな患者は確認されていないと明言した。
「人民網日本語版」2003年9月8日