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劉士敬・302医院医師「SARS再発の可能性も」

冬から春にかけて重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行が再発する可能性を懸念する声が出ている。これについて、解放軍302医院の劉士敬・医学博士が9日、記者のインタビューに答えた。

劉博士は「SARSがまだ十分に認識されていない現在の状況では、再発の可能性やその時期を正確に予測することは大変難しい」としたうえで、世界衛生機関(WHO)が「SARSの発生に季節性がある可能性が極めて高い」との警告を発表したことを説明。ウイルス性呼吸器疾患は、温度や湿度の上昇につれて衰え、気候が涼しくなってから再発することが多いく2~3年や4~5年に1度流行するケースもあるとした。

SARSウイルスについては、最初は動物または自然環境から人類に感染したとする研究結果が多く出ている。こうした動物・自然環境が依然として存在し、SARSウイルスが潜んでいる可能性があり、一旦気候や土壌などの条件が揃えば、人類を再び襲う恐れがある。今年のSARSウイルスの流行時期は、ちょうど冬季・春季に重なり、夏に入ってからは感染者数が急減し、ゼロになった。このことはSARSウイルスの生物的周期や環境などの要素と密接に関係しており、SARS再来の可能性を示している。

しかし、劉医師は同時に「今春のような爆発的流行の可能性は低く、局地的かつ散発的に発生し、比較的早く抑え込むことができる」と予測している。中国はすでに今春のSARSの経験を通して有効な予防措置を総括しており、SARS発生の兆候が見られる場合、国内または世界レベルで迅速に警戒体制を取り、緊急措置や対策を講じて、初期段階での封じ込めを行うことができる。

この冬から春にかけてのSARS再発防止に関しては、一部技術的な問題の解決が急がれており、真剣な対応が望まれる。

(1)迅速かつ簡単な診断方法を早急に作成し、診断薬を末端の医療機関まで普及させる。

(2)治療方法を制定する。ホルモン投与を行う症状や投与方法、予防的治療の必要性などについて、明確な治療方法を打ち出すとともに、治療方法の規範化と改善をを進める。

(3)軽くて安全な防護設備や防護服を設計し、医療関係者の安全を確保するとともにや医療操作の正確性・敏捷性を高める。

(4)治療薬を研究・開発する。現在、有効・安全な薬の選別作業を全国で行っており段階的な成果を上げている。

(5)免疫力向上による予防を強化し、ワクチンの研究開発を進める。

劉医師は、「この30年間に世界で新たに発見された30数種類の伝染病の状況から見て、SARSは新しい伝染病であり、自然消滅せずに人類と共存していく可能性が大きい。しかし正しく対処すれば、人類に対するSARSの脅威は恐ろしいものではない」と述べている。

「人民網日本語版」2003年9月10日

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