今年、SARS(新型肺炎・重症急性呼吸器症候群)が流行した際、国内では患者の6割が西洋医学と漢方医学を併用した治療を受けたが、WHO(世界保健機関)はこのほど初めてこの治療法の安全性を認定する考えを表明した。
WHO西太平洋地域担当責任者のマデール氏は「漢方医薬に重大な副作用がないことが明らかになったため、我々は漢方医薬によるSARS治療の安全性に自信を持っている。漢方医学療法には患者のだるさや息切れ、呼吸困難などの症状を和らげ、肺の炎症の吸収を促進するほか、ホルモン薬物使用による副作用を軽減するなどの潜在的な効用がある。また調査結果から、年齢や基礎的疾病がほぼ同様の状況の下では、西洋医学と漢方医学を併用した治療を受けたグループの死亡者数が西洋医学のみの治療を受けたグループより少なく、漢方薬を予防のため服用した医療関係者の間でSARS感染者が出なかったことが分かった。そのため我々は、漢方医学の研究を今後も行っていくよう薦めるつもりだ」と強調した。
西洋医学と漢方医学を併用した治療が良好な効果を上げていることから、専門家も政府に対し早急に漢方医学を伝染病の臨床・治療システムに組み入れるよう呼びかけている。
「チャイナネット」2003年10月15日