新型感染症の予防と治療をめざす「探測尖兵」計画がこのほどスタートした。新型感染症の迅速な特定調査、検査・測定、隔離、認定、追跡、警告、診断、治療などに関する方法・技術に関する研究を展開していく。
同計画は衛生部と解放軍総後勤部主管の衛生部門が実施する。重点課題として(1)国内の新型感染症、国内に入り込む可能性のある新型感染症を検出する方法の確立(2)新型感染症の病原体検出技術の研究(3)新型感染症の識別診断と臨床診断識別システムの研究(4)新型感染症による臓器機能損壊に関する早期警告態勢と臨床治療技術の確立(5)新型感染症の自然界の分布に関する研究―――などに取り組む。
科学技術部農村・社会発展司も新型感染症の予防・治療技術の研究を強化するための国家重要プロジェクトをすでに始動。社会発展司の責任者は「世界は今、新型感染症による重大な脅威にさらされている。わが国では新型の感染症がすでに流行しており、別の新たな経験したことのない感染症が入り込む危険性があり、新型感染症は世界にとっても重大な公共衛生問題となっている。科学技術部が実施した技術研究応用プロジェクトは、国の『十五』(第10次5カ年計画・2001~2005年)重要プロジェクトの一環として行われるもので、新型感染症に対処する重要な技術的問題を解決するため6000万元を拠出する」と説明している。
感染症の専門家で、解放軍302医院の姜素椿教授によると、「新型感染症」とは、新たに発生し、新たに変異し、新たに国内に入った感染症のこと。時間的には、この20年から30年以内に出現する感染症で、性質的には、インフルエンザの変異など、一部は新たに発見されたもの、一部は病原体自身が変異したもの。
「探測尖兵」計画は解放軍と地方政府が共同で実施する。研究方法を標準化・ネットワーク化することで、新型感染症をより迅速かつ精確に識別し、警告を発するため感染経路や流行範囲を特定するのが目的。
「チャイナネット」2004年1月14日