衛生部の王隴徳副部長(国務院エイズ対策活動委員会弁公室主任)はこのほど、現在の中国のエイズ対策活動などについて、記者の質問に答えた。
――現在の中国のエイズ事情はどうか。
1985年に最初の症例が報告されてから、エイズの流行は急速に拡大してきた。2003年には全国を対象としたエイズの流行病学の調査が行われ、おおよその分析の結果、国内には約84万人のエイズウイルス(HIV)感染者がおり、うち約8万人が発症していることが明らかになった。
中国のエイズ流行の主な特徴として次の5点が挙げられる。
(1)流行の範囲が広く、全国31の省・自治区・直轄市でHIV感染者が発生した
(2)流行は感染リスクの高い層から一般の人々へと広がっている。共用の注射器・注射針による薬物の静脈注射がエイズウイルスの主な感染ルートであるほか、性交渉による感染や母子感染の比率も年々増加している
(3)感染者は青年・壮年層が中心で、その多くは農村に居住している
(4)一部の地域でエイズ発症・死亡のピークを迎えている
(5)エイズ流行を招く危険な要素が広く存在しており、主に男性の同性愛者や売春婦の間で危険な性行為が行われる確率が高いことや、薬物常習者で注射器などの共用が広く見られることが挙げられる
「人民網日本語版」2004年4月9日