生命科学者で医学者でもある徐栄祥氏が執筆した研究書『火傷の再生医学』の英語版が先ごろ世界的に知られる医学・生物学専門書の出版社、スイスのエス・カーガー社から発行された。
徐氏によると、「再生医学」は全く新しい医学概念で中医学、西洋医学とも区別され、また現在流行している遺伝子組み換えや幹細胞移植、臓器移植、クローン技術などとも異なる。再生医学は臓器の組織細胞の潜在的再生能力を活用し、細胞の生命再生に必要な栄養物質を付加したうえで、時間を置かずに絶えず臓器の機能が低下し壊死した細胞を再生、増加・補充し、臓器の構造と機能が生命持続状態を保持できるようにすることで、疾病を根本的に治療したり予防したり、また健康長寿の目的を達成しようとするもの。
人体の活細胞の寿命は少なくとも300年と言われるが、人類の平均寿命は70歳にも達していない。徐氏は「人体に細胞の再生を増強する栄養物質を十分に与えさえすれば、組織細胞は再生可能だ。これは人類の平均寿命を現在の70歳未満から300歳まで延ばせる可能性のあることを意味している」と説明する。
『火傷の再生医学』は、徐氏の「再生医学」関連専門書のなかで初めて出版された1冊。中国人研究者が執筆した研究書が世界トップクラスの学術書専門出版社から発行されたのも、今回が初めて。徐氏の著作は今後数年内に『胃腸の再生医学』など、一連の専門書が相次いで出版される予定。
エス・カーガー社は、医学書やノーベル医学・生物学受賞者の著作物の出版で世界的に著名。『火傷の再生医学』について同社はホームページで、その内容は「革命的で驚嘆すべきもの」と絶賛するとともに、書籍の裏表紙に書評を掲せる異例の対応を示した。
「チャイナネット」2004/04/21