中国が独自開発した新型肺炎SARS(重症急性呼吸器症候群)不活性化ワクチンの第1期臨床試験が5日、終了した。
科学技術部・衛生部・国家食品薬品監督管理局の発表によると、被験者36人にはいずれも異常反応が現れず、ワクチンを接種された24人全員に、抗体が形成された。ワクチンの安全性と一応の有効性が示されたといえる。第1期臨床試験の成功は、SARSワクチン研究における難関を基本的に突破したことを意味し、これらの研究成果により、次段階の研究に向けた環境が整っただけでなく、緊急時にハイリスクグループを守るための潜在力が備えられた。またこれは、第1期臨床試験を終えた世界初のSARSワクチンだ。
第1期臨床試験の実施は1月19日に認可され、4月22日から中日友好病院でボランティア36人に対する臨床試験が始まった。臨床観察は9月29日までにすべて終了した。第1期臨床試験は、ワクチンの安全性とおおよその有効性の評価が主要目的。今後は試験結果に対する科学的検証を行い、次段階の研究プランを策定して、その有効性・安全性・接種量などについてさらに研究を進めていくことになる。商品化には第3期臨床試験まで終えることが原則だが、SARSが発生した場合は、関係部門の認可を受けたうえで、現在のワクチンをハイリスクグループに接種することができる。
「人民網日本語版」2004年12月6日