儺(な)とは、追儺(ついな)、鬼やらいのこと。仮面をかぶり、神がかりになって踊る。原始的な狩猟、トーテム崇拝、部落戦争、原始的な宗教・祭祀の産物として、儺は黄河以南の農村部に広く伝わっていった。古代、人びとは神を祭る壇、神を迎える儀式、悪鬼を追い払う舞踊と芝居、仮面などを通して神と言葉を交わしてきた。こうした儺文化はその後、時間の推移とともに、庶民が自らの願いを表し、自ら娯楽として楽しむ民間芸能へと変身していく。現在、儺文化にまつわる伝統芸能は、江西や雲南、貴州、安徽、湖南、広西など20の省・自治区の多くの農村部に残っている。
悪鬼を追い払う舞踊(儺舞)は、中国舞踊芸術のまさに“活きた化石”。現在、儺舞のユネスコ世界無形遺産(人類の口承および無形遺産の傑作)の登録申請に向けた準備が進んでいる。
「チャイナネット」2005年7月11日