宋代(960~1279年)の沈没船「南海1号」が今年中に引き上げられることになった。広東省文物考古研究所によると、「南海1号」の引き上げ作業は3月に正式に開始するという。古代の沈没船全体が引き上げられるのは世界の考古学界でもこれが初めて。
専門家によると、現在では珍しくなった木造の「南海1号」には、品質も数量においても世界で屈指の文化遺産が残されているという。引き上げに成功すれば、800年前の海上貿易の状況と中国の造船史、航海史についてさらに深い理解を得られる。
視界が悪いため、広東省の引き上げ部門は16日早朝、同船が沈んでいる海域に測量船を派遣し、データを収集し、周辺を整理した。
同船は広東省陽江市の東平港の南約20カイリに沈んでおり、1987年8月に発見された。測定により、船の全長は約24メートル、幅9.6メートルで、深さ22~24メートルのところに沈んでいることがわかっており、デッキ下の保存状態は良好だという。2002年3~5月、国家博物館の水底考古学チームが、沈没船中ほどの面積1平方メートル足らずの船内から、6千以上の貴重な文物を引き上げた。文物は全部で6万~8万点に上ると予想される。
「人民網日本語版」2007年1月17日