中国沿海の海面上昇のスピードが少し加速しているようだ。最新版の「中国海面公報2006」によると、中国沿海の海面上昇のスピードは、世界海面の年1.8ミリを上回る年2.5ミリを記録している。
資料によると、中国の全海域では過去3年間、例年よりも海面が高くなる現象が見られ、中でも06年は例年より71ミリも高かった。今後3~10年で、中国沿海の海面は06年と比べ9~31ミリ上昇すると予測される。
国家海洋情報センターの陳満春研究員は「海面上昇には自然要因もあれば、人的要因もある。中国沿海に関して言えば、人的要因がより顕著かもしれない」と分析する。天津・上海・広州など沿海部のいくつかの大都市は堆積平野に位置し、地下水の過剰な汲み上げや、大型建築物の増加による地盤への負荷のため、地盤沈下が加速し、相対的な海面上昇をもたらしているのだという。
専門家は「海面上昇は長期的でゆるやかな海洋災害で、直ちに災難が及ぶわけではないが、潜在的な脅威は侮れない。長期間積み重なり、対策を取らなければ、取り返しのつかない災難をもたらすおそれがある」と指摘する。
06年の国家海洋局の観測によると、中国の一部海岸では浸食で陸地が「後退」しており、年数メートルから十数メートルの「後退」も見られ、住民の仕事や生活に影響を与えているという。
国内の多くの海水浴場では、海水の浸食によって砂が大量に流失するため、別の場所から砂を常に補充することを余儀なくされているという。
「人民網日本語版」2007年1月19日