中国の月探査プロジェクトで首席科学者を務める欧陽自遠・中国科学院(科学アカデミー)院士は、16日に北京で開かれた第11回環太平洋国際宇宙会議(ISCOPS)で、中国の月探査プロジェクトは月周回、月面着陸、サンプル採取の3段階に分けて行われ、その全てが無人での探査活動となるほか、第2段階では軟着陸探査機と月探査車の打ち上げを行うことを明らかにした。軟着陸探査機は着陸ポイントでの観測を、月探査車は月面で移動しながら探査を行う。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
欧陽院士によると、第2段階では主に(1)月の地形、地質構造の観測(2)月面の化学成分と鉱物成分の観測(3)月の内部構造の観測(4)月面環境の観測と、地球の電離層に対する極紫外線観測、月面基地による光学技術を利用した天文観測――の4大目標の達成を目指す。月の内部構造観測においては、月震と小天体の衝突過程を記録するほか、月と地球の距離を正確に測定、月表面から深さ30メートル以内の土壌と3キロ以内の地層を観測し、深さ3キロ・長さ10キロにわたる月内部の断面構造を明らかにする。
中国航天科技集団の張慶偉・総経理は、今年中に初めての月探査衛星を打ち上げることを明らかにした。
「人民網日本語版」2007年5月17日