昨日(5月17日)、広東省陽江市の海域で大型の潜函(ケーソン)の沈下作業がすすめられ、南宋(1127~1279)時代の沈没船「南海1号」のサルベージ作業が始まった。
午前10時ごろから、900トンのクレーン船「南天竜」号がサルベージ作業を始めた。まず位置を確定し、「南海1号」の上部から潜函を海底に沈め、20数人の潜水夫が相次いで水に潜った。現場作業員によると、サルベージ作業は40日間の予定である。
「南海1号」は南宋時代の沈没商船で、全長30.4メートル、幅9.8メートル、船内には6~8万点の文物が存在すると見られている。プロジェクトの責任者呉建成氏によると、800年余りにわたる海水の侵食や押し流されるなどにより、「南海1号」の船体はすでに非常にもろいものとなっている。専門家たちは研究を重ねたあげく、船を全体としてすくい上げる案で作業を進めることにした。
大型潜函は沈没船とその周囲の沖積した土砂をともに覆いこみ、底部の両側から36本の鋼製の梁で密閉状態になった「箱」をつくり、「南海1号」と周囲の海水と土砂をまるごとすくい上げることになっている。潜函も上下二つの部分からなり、海底の作業が完了すると、海底で分離し、上の部分はすくい上げられ、下の部分は海底に残ることになっている。
今回の「南海1号」サルベージ作業はわが国最大の海洋考古学調査プロジェクトであり、財政部は9000万元の特別資金を計上した。サルベージ作業は7月まで続けられる予定である。
「チャイナネット」2007/05/18