米国のドキュメンタリー映画「南京」と、中国でまもなく撮影が始まる「南京!南京!」。この中米両国がともに映画の題材とした「南京大虐殺」という歴史的事件が、第十回上海国際映画祭の焦点となっている。
ドキュメンタリー映画「南京」は、アメリカ・オンライン(AOL)のテッド・レオンシス副会長が200万ドルを投資して製作したもので、中国系米国人の女性作家、アイリス・チャン氏の作品「レイプ・オブ・南京」を下敷きに、当時中国にいた西洋人の視点から、日本軍の中国侵略の暴行を描いている。同映画は今年の米・サンダンス映画祭でもセンセーションを巻き起こしている。
同映画をひっさげて上海国際映画祭に登場したテッド・レオンシス氏は、「製作チームは各国を飛び回り、80人近い南京大虐殺の生存者及び当時の日本軍兵士を取材した」と述べる。作品中では当時中国にいた西洋人の日記や手紙を引用し、アメリカの文豪ヘミングウェイの孫娘などの有名人に朗読を担当してもらったという。
また同映画祭では、中影集団、星美影業、江蘇広播電視集団の共同製作による映画「南京!南京!」の契約セレモニーが行われた。同作品は中国映画界の新鋭、陸川の監督によるもので、制作費は推計1000万~1200万ドル。各準備作業は整い、8月に正式に撮影を開始し、来年には完成の予定。
「人民網日本語版」2007年6月25日
|