家族や友人が太った場合、本人も太る可能性がある。米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル」は26日、肥満が一種の「社会伝染」現象であり、人から人へ「伝染」するとの研究を掲載した。体重の自然増加とその他の要因の関係を研究した結果、体重増加を招く最大要因は友人、家族、同居人にあることがわかったという。「新聞晨報」が伝えた。
ハーバード大学医学部の社会学者ニコラス・クリスタキス氏らの研究チームは、被験者の体重指数、体重と身長の比率を測定するとともに、その友人、配偶者、兄弟姉妹、隣人の体重増加と被験者自身の体重増加との関係を調べた。この結果、一定期間内に友人が太った場合、本人が太る確率も57%増加、兄弟姉妹や配偶者が太った場合も同40%または37%増加した。
性別も肥満の伝染と密接な関係にある。同性の友人が太った場合、本人が太る可能性は異性の友人が太った場合よりも大きくなる。同性の友人の1人が太ると、他の友人が太る確率は75%増加。家族の男性の1人が太ると、その兄弟が太る確率は44%増加。同様に、姉妹間でも互いの影響で太る確率は67%増加する。
これは、食事の好みや運動習慣の同じ人間がいつも一緒にいるからというような単純なものではない。友人や家族が太ると、標準体重への見方が変わるのだ。クリスタキス氏によると「周りがみな自分より体格が大きいのだから、自分が太っても大したことはない」と考えるのだという。
「人民網日本語版」2007年8月3日