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中国はなぜノーベル賞に縁がないのか(2)
  科学的精神を育成する社会環境に欠けることも、重要な原因の1つだ。科学研究には科学的な精神と姿勢が必要であり、科学者が科学への情熱と根気、堅忍不抜の意志を抱くことが必要だ。中国にはかつて「科学救国」の抱負を抱いた知識人の世代があり、華羅庚、銭三強、李四光など著名な科学者を生み出したし、ほどなく陳景潤などの科学者が時代の模範にもなった。(文:崔剛・清華大学外国語学部教授)

  また、ノーベル賞受賞者は誰もが例外なく、幼少時から科学への強烈な関心を示している。だがこの市場経済時代にあっては、科学の研究を志す子どもは減る一方で、スターや企業家に憧れる子どもの方が多い。高校卒業時の専攻選択では、とうに商科熱が科学を遥かに上回っている。

  大学の学術環境も、学生の科学研究への認識、科学的な精神と姿勢作りに直接影響する。学術研究は代々の継承を必要とし、今日の研究者の言動は次の世代に直接影響する。

  ノーベル賞の受賞には多くの偶然性があり、また多方面の要因が関係する。ノーベル賞を受賞できるか否かについて、われわれは平常心を保つべきだ。だが、われわれがこの現象に対する再考を通じて、自身に存在する問題を突き止め、その改善を図ることができるなら、その意義は受賞そのものをはるかに超えるだろう。

  「人民網日本語版」2007年8月13日
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