ノーベル文学賞の受賞者で、日本の著名な作家である大江健三郎氏が子どもたちに捧げる新作『二百年の子供』を出版した。現在、中国社会科学院外国文学研究所研究員の許金竜氏が中国語に翻訳しており、間もなく新世界出版社から出版される。
『二百年の子供』は大江健三郎氏が子どものために創作した唯一の冒険ファンタジー小説。物語は、知的障害をもつ兄と健常者の妹と弟の三人組がタイムマシンに乗り、この150年以来の日本社会の変化や歴史の過程のさまざまなシーンを目にするところから始まる。
大江氏はこの物語を通じて、日本の次世代と若者に1つの道理、過去と未来を規定する「いま・ここ」の重要性を教えようとしている。過去は今につながり、未来は今に溶け込んでいる。過去、現在、未来というひと続きの歴史的連続性の中に、想像力を駆使して積極的に自身を位置づけてみること。そこから、個人と歴史の新しい関係がかたちづくられる。大江氏はそのような人間を、若い世代への呼びかけと期待を込めて「新しい人」と定義する。自由な精神で「未来」につながろうとする子どもたちをめぐる物語は、和解と共存に根ざした新しい歴史認識を読者にもたらすことになるだろう。
許金竜氏は「両国の次世代の和解、友好と協力のために、日本の子どもだけでなく、中国の子どももこの本を読むべきだ」と強調する。
「北京週報日本語版」2007年8月15日