地質学者と考古学者のグループはこのほど、今から約3万~4万年前には、青海省と西蔵(チベット)自治区を含む青蔵高原に、すでに人類が居住していた可能性が高いことを発見した。しかも、活動範囲は高原の奥地に及んでいたという。
中国科学院(科学アカデミー)地質・地球物理研究所の袁宝印研究員など学者3氏は、チベット北部の蔵北高原色林錯湖で見つかった、旧石器時代の石器が残っていた地層を分析、同湖の旧湖岸は今から3万~4万年前の氷河期末期、つまり旧石器時代に出来たものだと結論付けた。また、古代人類に関する過去の研究や他分野の研究などに照らすと、この時期の人類は青蔵高原の奥地に活動範囲を広げていた可能性が高い。
人類学界では、世界で最も早くに高原での生活を始めたのは蔵族(チベット族)の人々だとされており、その時期は今から2万5千~5万年前という。これは南米のアンデス人よりもかなり早い。色林錯湖での旧石器発見は、この説を裏付けるものとなりそうだ。
図:色林錯湖で発見された石器(中国科学院地質・地球物理研究所提供)
「人民網日本語版」2007年8月20日