長年お茶を嗜んでいるある人がこう語った。第一に、月餅とお茶は素晴らしい組み合わせである。月餅の甘ったるさが、お茶の清爽感ある甘さと出会ったとき、その味わいはお互いを引き立てあう。第二に、養生という面からいうと、消化を促進し元気をつける作用を持つお茶は、月を観賞する際の良い選択である。しかし、皆さんはご存じだろうか。どんな月餅を食べるときに、どんなお茶を飲めば完璧といえるのか、を。
広東式月餅+プーアル茶
広東式月餅(現在主流となっている種類の一つであり、広東省やその周辺地域を起源とするが、今では全国各地で味わうことができる。その特徴は、皮が薄く中身の餡が多いことである。皮と餡の比例は2:8。油の含有量が他の月餅より多いため、食感は柔らかく滑らか、見た目の光沢感もずば抜けている)の特徴を考慮した結果、お茶の専門家たちは目下珠江デルタ地帯で流行しているプーアル茶を推薦している。プーアル茶は一般的にやや苦みと渋みがあるが、これがまさに月餅の甘ったるさを軽減してくれるのだ。近年広東では広東料理の要素を加えた新たなタイプの月餅(葱香牛肉月餅、ハム月餅など)を売り出しているが、これら新式の月餅にもプーアル茶はマッチしている。
蛋黄蓮蓉月餅+鳳凰单枞
蛋黄蓮蓉(餡の原料がアヒルの卵と蓮の実をすりつぶし砂糖で煮たもの)月餅は、現在最も主流の伝統的な月餅といえるだろう。これと一緒に飲むお茶として、何名ものお茶愛好家たちがこぞって、烏龍茶の一種として高い人気を誇る鳳凰单枞を推薦するのは、濃厚な香りと黄金色に輝くその色合いが蛋黄蓮蓉月餅の風格とかなり近いが故に、お互いに引き立てあうからである。
冰皮水果月餅+鉄観音/花茶
見たところ、伝統的な月餅とは全く異なるが、ひとたび口にすると非常に爽やかな食感の冰皮月餅(他の伝統的な月餅はみな砂糖を溶かして煮あげたもの で皮を作っていて黄金色をしているのに対して、この月餅は原料の一部がもち米であり、そのため見た目が白みを帯びている。冷凍庫で保存し、売り場でも冷蔵庫に入れる)は、人気がだんだん高まっている。現代的で若者が好みそうなこの月餅には、花茶との組み合わせが上品でふさわしく感じる。それに花茶は視覚的にも、目の肥えた現代人を満足させる。8月は桂花(もくせい)の季節だ。桂花茶をいれて月を観賞するのは格別の趣だろう。とはいえ、やはり「お茶の味」が好きな人なら、色合い豊かで、香りも良い鉄観音を合わせるのも悪くない選択だろう。
五仁月餅+緑茶
「五仁月餅」には、果物の種の風味が充満している。杏の種、ウリ類の種、ピーナッツなど、どちらかといえば女性的な味わいには、爽快感のある緑茶がぴったりだ。さらに、緑茶の抗酸化作用は女性の美容やダイエットにとっても非常に有益である。高カロリーによる脂肪の蓄積も解消してくれる。透明なガラスのポットで上等な毛尖や龍井(どちらも緑茶の一種)をいれたら、その目にも鮮やかな緑で心まで癒されることだろう。
「チャイナネット」2007年9月25日