古代建築の専門家・王世仁氏は以前、「歴史の古い旧通りを改造するのは、新しい通りを建設するよりもはるかに難しい」と語った。
かつて北京城内だった62.5平方キロメートルの範囲には、北京の歴史と文化の粋が埋まっているが、北京で最も古い家屋群に住む住民の一部には、生活がやや困難な市民もいる。北京市建設委員会の張家明副主任によると、北京市中心部の4区には危険な家屋が21万2100平方メートルあり、1万戸が入居しているという。
困難はありながらも、近年は「北京旧城二十五区画歴史文化保護区保護計画」、「北京歴史文化名城保護計画」、「北京皇城保護計画」が相次いで実施され、文化財、歴史文化保護地域、歴史文化都市という3つのクラスに分けた保護体制が形になりつつある。
2008年に入り、政府から新しい情報が発表された。北京市中心部の4つの区で中華人民共和国成立以来最大規模の住宅修繕と市政改善活動が行われることが決まり、旧市街の胡同40数本と1400以上の旧式住宅が改造されることになった。各区には2億5千万元の特別補助金が支給されるなど、専門家も「政府は一大決心をした」と受け止めている。
考古学者の徐苹芳氏は言う。「政府の出資は一つの方向に過ぎません。政府が表に出ることと、開発業者の参与を排除することも必要です。3つのうちの1つが欠けてもいけません。これがこの問題を解決する正しい道だと思います。今後は北京の経験を広め、全国の歴史ある都市の保護も同様に行うべきでしょう」。
「人民網日本語版」2008年1月9日
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