科学技術部発展計画司の秦勇・副司長は15日、「科学技術と五輪大会」と題した記者会見に出席し、科学技術を応用した高水準の五輪大会を開催するため科学技術の研究開発に中国政府が投じた資金の額が10億元にのぼることを明らかにした。企業など民間からの資金を合わせると、この分野への投資は30億元に達する。「中国青年報」が伝えた。
北京大会では五輪史上初の「科技五輪」という理念が掲げられている。北京市は01年の大会申請時、科学技術の精神をもって五輪大会を開催することを初めて打ち出し、先端技術で五輪大会を支え、五輪の成果を社会全体に広げることを約束した。中国はこれを実現するため、「科技五輪(2008)行動計画」を始動し、3万5千人にのぼる研究者を動員してきた。
「科技五輪」の建設はここ7年で、五輪大会の需要に対応するため、技術研究の取り組みを通じて、多くの「五輪史上初」を実現してきた。例えば、「中文・英文同時表示システム」は、カギとなる技術上の課題の克服を通じて、試合情報を中国語と英語で同時に表示することを可能にした。試合会場のディスプレーとテレビ画面に表示される試合情報はこれまで英語だけだったが、今大会では中国語の情報をリアルタイムで同時に表示することができる。また五輪情報システム内の情報をコピー・ペーストする機能も利用できるようになり、五輪ニュースの取材・編集・放送がより便利になった。
国家体育場「鳥の巣」の設計には、鳥の巣式の新たな建築構造が取り入れられた。▽建築規模は世界最大▽鋼鉄使用量も世界最多▽建築構造も非常に複雑――という特徴を持つこの建物は、建設にあたっての難度も非常に高かった。国家水泳センター「水立方」は、膜構造を利用した建築物としては、世界最大の延べ床面積と最も複雑な機能を持つ。泡が集まったような構造によって建築物全体と内部の各空間が形成され、壁から天井にいたるなめらかな連結が実現された。北京工業大学体育館はしなやかで美しい外観を持ち、上空から見るとバドミントンのラケットのような形状をなしている。アーチ型の屋根は直径93メートルにおよび、世界最大の規模をほこる。
「人民網日本語版」2008年7月16日 |