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中国人の眼に映る米国と米国人
発信時間: 2009-02-19 | チャイナネット

(ワシントン全米記者クラブでの講演の抜粋 00年8月30日)

中米両国が交流を始めて現在まで、およそ220年たつが、中国語を学び始めたばかりの米国人は、中国語の「美国」という2文字の意味が字面からみると「美しい国」である、と気づいていぶかっているようだ。もちろん、私たちはここで複雑な語源論を議論するつもりはない。実は、中国人が太平洋の彼方に広大な国である「The United States」があると知ったばかりの時だが、十を超える訳し方があったが、最終的に「美国」に定めることにした。それは最も素晴らしい中国式の名前であり、米国を理解していない中国人は自然、好感を持つことができた。

しかし、中米関係は発展に向けさまざまな曲折があり、貿易赤字やダライラマ、台湾、人権などの問題をめぐり意見の食い違いも非常に多い。中国メディアには常に米国の対中政策に対し鋭い批判をしているとはいえ、米国社会の発展については各方面にわたり、好意をもって大きな紙面を割いて報道している。中国人は、中国メディアの米国に対する好意ある報道とは反対に、米国メディアの中国に関する情報は非常に少なく、不正確でもあり、なかでも著しく偏見に満ちた報道が少なくないことにも気づいている。しばらく前、ワシントンのあるテレビ局の会長が中国国際放送局を訪問した際、中国は食べることが困難だろうと非常に心配し、大量のインスタント食品を携帯した。ここに、米国市民の中国に対する誤解がかなり深刻であることが見て取れる。

またこうした状況もある。つまり、中国の力を過大に宣伝し、中国の軍事力を誇大化し、いわゆる「中国脅威論」の理由を探し求めていることだ。(編集者注:この時のスライドは米紙ボストン・グローブの96年1月7日付の内容で、1対の大きく長いはしが数枚の米国国旗で作られた小さな紙を挟み込み、脇の文章の標題は「われわれは中国を恐れるべきか」)。これは非常に典型的な漫画だ。文章では冒頭でわたし本人に触れている。記者は上海市副市長で、浦東新区の責任者である趙啓正を訪問し、彼は野心あふれる発展計画について説明した。この計画は恐らく彼が生きている間に実現するだろう。その時に中国は政治大国、軍事大国であるだけでなく、経済大国となるため、全世界は中国を恐れるべきだ、と書いている。では、中国のはしは米国の国旗を料理にして食べるだろうか。実際、どんな国であれ、料理にして食べてしまう、といった能力は中国にはこれまでもなく、そうした考えを持ったこともない。私はボストン・グローブに手紙を送った。「編集者様。あなたが言われたことは同意できませんし、中国にはそうした考えはありません」。同紙が私の手紙を掲載してくれたことに感謝したい。

歴史を振り返れば見て取れるが、中米関係には紆余曲折があり、一部の問題で重大な論争もあるが、中米関係の方向は友好と協力であり、中米間に協力しない理由は見当たらず、あるとすれば、それも人為的なものだ。中米両国人民の友情はロッキー山脈のセコイアのように永遠に青々としているべきである。最近、私は中国のある地方のたばこ工場の製品が「セコイア」と名づけられていることに気づいた。たばこを吸うよう主張するのではないが、私はこのブランドが好きだ。中国は中米の友情を強化する決心でいる。今、中国は中米の友情を描いた映画やテレビドラマを数多く制作しているところだ。例えば、『黄河の絶恋』は米国の飛行士が中国で抗日戦争に参加した史実を描いたもので、中国で人気を集めた。ついでに言えば、中国人も米国の映画が非常に好きだ。『タイタニック号』の優美で、柔らかくも悲しい恋愛物語は、愛は金よりも高貴であることを教え、中国でかなりの人気だった。米国人が制作した中国の物語『花木蘭』も中国の子どもたちの人気を集めた。

中国人民は成熟した理知的な人民であり、中国人民は、世界政治の多極化と経済のグローバル化が深まるに伴い、政治や経済、軍事、文化など各方面での各国の相互依存性が一段と強まることを深く認識している。疑いもなく、米国は世界最大の先進国であり、中国は世界最大の発展途上国である。中米両国は建設的な戦略パートナーシップの国として、イデオロギーや戦略的利益、文化・伝統の面でまだ大きな差はあるものの、多くの面で共同かつ重要な利益を持とうと、両国はすでに効果ある、建設的で、幅広いパートナーシップを確立している。私たちは以下の面でともに努力していきたい。世界政治の中で独立自主と、小異を残して大同に就くことを提唱する。グローバル経済の中で成長を促し、ともに発展する。国際社会の中で平等と相互尊重を発揚する。科学技術を発展させる中で交流を強化し、人民に恩恵をもたらす。文化の分野で相手の優れた点と多様性を学ぶよう奨励する。明らかなのは、中米両国は和すればともに利があり、いわば「相互利益」となるが、対峙すればともに敗れて傷を負う、ということだ。両国が理解を深め、協力を強めることは、世界の平和と発展にとって重要な意義があり、中米関係を改善し発展させることは両国人民がともに求めているものだ。中米間の協力は大きな成果を収め、今後もさらに成果を収めていくだろう。私は浦東新区で仕事をしていた時、そこに中米協力の摩天楼を建設した。高さ420.5メートル、世界第3の高さであっても、その美しさは世界1と認められた。この高層ビルの外形は中国の宝塔、米国の鉄筋構造で、内から見ると金色に輝き、外から眺めるとまさに中国の宝塔だ。私は、こうした中米協力で新たに開拓できる分野はまだまだ多いと思う。

 

「チャイナネット」2009年2月19日

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