大量のLED照明によって、夜の万博会場は会場全体が“見所”になっている。「耀華路」の入口を通った来場者は、会場に入ってすぐに、照明に覆われた万博軸の陽光谷が整然と並ぶ塔のように真っ直ぐ聳え立っている姿を目にする。万博軸の端にあるのは、青い光に照らされた万博文化センターで、円弧状のデザインと濃淡の異なる光が合わさり、万博文化センターの建物を未来から来た機械塔のように見せている。
万博軸の東西両側を見てみよう。万博軸の東側には、光に縁取られたトルクメニスタンのお城、金色に輝くアラブ首長国連邦の山並み、更には、ライトアップで鮮明に浮かび上がった透かし彫りのハングル文字がある。西側では、イタリア館の透明な壁の内側から光が放たれている様子は、まるで火を点したキャンドルのようだ。ライトアップされたフランス館は美しい網の中に捉えられた正方形の宮殿のように見える。更に素晴らしいのはセルビア館で、四角い箱を幾重にも重ねたような外観がライトに照らされて、カラフルでとても愛らしい。
夜の素晴らしさには、照明の他にも“爽やかさ”がある。夜の万博会場は日中の熱気が幾分か薄れ、そよ風も吹いて、涼しくて気持ちがいい。来場者の多くは家族連れで来て、昼間のように駆け足で見て、駆け足で並ぶという必要もなく、ぶらぶらと歩きながら会場内を見て廻って、のんびりと楽しんでいる。