中国初の月探査衛星「嫦娥一号」は月周回軌道を一年間周回し、4つの科学目標を果たす予定となっている。
(1)月表面の3次元画像撮影
CCDカメラとレーザ高度計を用い、月表面の3D画像撮影を行ない、月表面の基本的な地質構造を細かくカバーする3D地図、地質図、構造アウトライン図を作る。月の断裂や環状の映像アウトライン図を作り、月面着陸の際の参考にする。
(2)月表面の元素含有量や物質の種類分布の特徴を分析
ガンマ線スペクトロメータ、エックス線スペクトロメータと干渉型スペクトロメータを利用して月表面で有用な元素の含量、および各物質の種類の分布特徴を分析する。月の紀元と変遷の歴史を研究し、将来的に月の資源を利用するための根拠とする。
(3)月の土壌の特性の観察
マイクロ波探査装置を用いて表層のレゴリスの厚さ・分布を調査する。月の土壌の成熟度と表面年齢との関係を分析し、月の表面の将来的に原子力発電の燃料としての利用が考えられているヘリウム3の資源量を推測する。
(4)地球―月間の宇宙空間の環境観測
高エネルギー太陽粒子検知器、低エネルギーイオン検知器を用い、宇宙線太陽高エネルギー粒子や太陽風における低エネルギーイオンの分布を観測し、太陽風と月の相互作用を研究、この空間での物理現象が地球空間および月空間に及ぼす影響を知る。
「人民網日本語版」2007年11月8日