開平の望楼は広東省開平市の海外華僑の故郷でよく見かけるユニークな民間の築造物である。明代の後期から姿を現わし、華僑の文化の発展につれて20世紀の初めに栄えた。中国と西洋の建築芸術が一体となった華僑の郷土築造物の群れであり、地域の歴史文化を具現したものとも言える。現存しているものは1833を数え、「華僑文化の手本」「驚嘆に値する建築芸術の回廊」とさえ言われている。

望楼の最大な特色は天井の装飾芸術であり、世界各地に分布している華僑が滞在している国の築造物の風格を取り入れ、中国の築造物の伝統にあわせてデザインし、築造したものであるので、風格もそれぞれ異なる。中国古代築造物の頂上式、中国と西洋の特色を取り入れた庭園式、別荘式、古代ローマ式、アラブ式、アメリカ式、イギリス式、ドイツのとりで式、教会式など約10種類もある。現存する開平の望楼は、泥でつくった望楼、れんが構造の望楼、鉄筋とコンクリートの望楼に分けられる。開平の望楼は世界各国の建築芸術の集まりとしてよく知られ、華僑の故郷の文化の先取り性と革新性を示すものであり、中国の農村建築史上の奇跡とも言える。そのため、開平市は近代建築博物館ともよばれている。

開平の望楼は主に盗賊の襲撃の防止、水びたしの防止と居住用にもちいられる。開平の望楼はそのユニークな歴史文化の芸術と学術的価値によって内外で注目されている。

2001年6月、国務院の認可を経て開平の望楼は全国の重点文物としての保護指定を受け、現在、国連に世界文化遺産の指定に申請しているところである。

「チャイナネット」2007年5月31日