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はかなさから見る日本の耽美意識

このほど、『日本沈没』という映画を見た。その中に、日本列島が間もなく沈没してしまう時、「何もせず、ここで愛する人達と一緒に消えることを選ぶ。こういう意見が少数ながらでてくるのが日本民族独特のものでしょう」という台詞があった。映画を見た後、その台詞がずっと心に引っかかった。いかにも日本的だなと思われた。

日本人は哀愁の中に美を求めていると言われる。「物の哀れ」という日本の伝統的な美意識が今も日本人の心の根底に流れている。多くの日本人は美しいものを楽しみながらも、それが長く続くことができず、いつか必ず消えてしまうと思っているようである。中国人の私たちから見れば矛盾があるように見えるが、日本人は確かに悲しみを一つの美として受け取ったらしい。

たとえば、桜は日本人のもっとも好んでいる花だと言われる。でも、多くの日本人は満開している桜よりも、散る桜がもっと好きだそうだ。初めて桜の散ったのを見たとき、風に吹かれた薄紅の花びらは、何枚も何枚もひらひらと舞い降りた。美しいと思いながら、なんだか悲しい気もした。滅びゆくものの美しさに心を打たれるのは、やはり日本的な美学だろう。

世界文学史の名作を見渡せば、日本ほど「死」、「滅亡」を避けずに、静かに取り扱っている国がほかにないであろう。「生と死はそれほどに差はない」(志賀直哉)ということばに、無力感を感じながら、生きることの美しさも味わってきた。

人間は、万物と同じく、いつかこの世から消えてゆく。恐ろしいことでもあるが、それだからこそ、生きることの大切さも常に考えさせているわけである。もしも人間は、みんないつまでも長生きできるとしたら、限られた時間でなんとかやりだすという意欲も、なくなるのであろう。いつか消えてゆくもの、また、一生懸命頑張っている人間の姿には確かに美が見出せるだろうと思う。そう考えれば、滅びゆくものに美を感じるという日本的美意識も、わからなくもないような気がした。

                                 (筆者は西南民族大学四年生 李斌英さん 指導教師:聶星超)

「チャイナネット」

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