日本の学者6人及び中国の学者1人が資金を出し合って買い取った非常に得がたい明朝版の『三国志伝』がこのほど、中国国家図書館に寄贈された。
2005年嘉徳秋季競売会において、明・万暦年間(1573~1619年)の刻本である『新刻湯学術校正古本按鑑演義全像通俗三国志伝』2冊がオークションに出品されたが、結局落札するに至らなかった。競売会が終わってから、日本の学者金文京氏(京都大学教授、人文科学研究所所長)、中山諭氏(大東文化大学文学部準教授)、井上泰山氏(関西大学文学部教授)、二階堂義弘氏(関西大学文学部教授)、竹内真彦氏(竜谷大学経済学部準教授)及び中国の学者の周文業氏(首都師範大学)ら『三国志演義』の版本研究者7人が、ともに資金を出し合い、5万元でこの本を買い取った。
周文業氏によると、明朝の著名な学者湯宾尹の校正になる『三国志演義』は明・建陽年間の刻本で、『三国志演義』の版本の流れの研究で重要な地位を占めていると見られており、国家図書館には全書30巻が収蔵されている。中日両国の学者の研究を通じて、図書館に収蔵されている『三国志演義』と学者たちが買い取った『三国志伝』とは細かい点で違いがあり、異なった版本であることが分かった。また、図書館に収蔵されている『三国志演義』の第1巻は破損しているので、全部よくそろった『三国志伝』はちょうどその欠陥を補うことができる、と見られている。湯宾尹の校正になる2つの版本の『三国志』をいっしょに並べるため、中日の学者たち7人は買い取った『三国志伝』2冊を国家図書館に寄贈することを一致して決めた。
これに対して、市場経済時代にあたって、古籍の商品化は図書館の古代典籍の収蔵に衝撃を及ぼしており、今回の中日学者の寄贈は国家図書館にとっては初めてのこととなり、きっと美談として語り伝えられることになろう、と国家図書館の詹福瑞館長は語っている。
「チャイナネット」2007年8月15日