中国北部の天候に影響を及ぼす黄砂の季節が近づいてきた。北部地域の大部分は2001年、昨年ともに延べ10数回もの黄砂に襲われた。気象専門家は、昨年の北部での降水量増加に関わらず、今春の黄砂の発生回数は基本的には昨年並みと予測している。科技日報によると、中国の気象局国家衛星気象センターの董超華総工程師は「中国西北地域では昨年、内蒙古で数回にわたり豪雪に見舞われるなど降水量が多かった」としながらも、「地表の湿度だけをもとに分析すれば、黄砂が減少する予測となるかもしれないが、黄砂の発生要因は複雑で、降水量だけを根拠に減少の予測はできない」と指摘する。
中国と海外の科学者は2001年から共同で中国西北地域の土壌の風食や黄砂の測定、予測に関する研究を実施。董総工程師によると、これまでの長年の研究により、華北地域に侵入して北京地区に影響を及ぼす黄砂には(1)モンゴル共和国から内蒙古自治区東部地域を経由(2)同自治区毛烏素沙地一帯から(3)中国西北部地域から――の3ルートがあることが分かっているという。
董総工程師は、衛星を使った調査で、内モンゴル自治区、寧夏回族自治区、甘粛省、山西省、陝西省、新疆ウイグル自治区、青海省などで地表の植生退化面積が拡大、砂漠面積が拡大していることが分かったと指摘。「生態環境の有効な回復ができなければ、砂漠化現象はさらに進み、黄砂の影響も避けられなくなる」と警告している。
「人民網日本語版」2003年1月20日