国家林業局が18日に発表した黄砂による災害や危害に関するレポートによると、3月から5月までの黄砂の観測件数は7件にとどまった。観測されたのはすべて北部地区で、観測件数は2001年の18件、2002年の12件と比べて大幅に減少した。
黄砂により全国で1億人(前年比80%減)が影響を受け、耕地面積約1千万ヘクタール(同69%減)、草原面積6200万ヘクタール(同54%減)が被害に遭った。北京地区は黄砂による影響を受けず、空気中の浮遊粒子状物質(SPM)と総浮遊粒子状物質(TSP)は昨年同期と比べて大幅に減少した。
国家林業局砂漠化対策管理センターの観測によると、2003年の黄砂は(1)発生回数が少ない(2)勢力が弱い(3)影響範囲が狭い(4)危害が軽減――の4点が特徴。主な発生源は、新疆ウイグル自治区のタクラマカン砂漠周辺と河西回廊から阿拉善高原にかけての2カ所で、被害は主に新疆ウイグル自治区、甘粛省、青海省、寧夏回族自治区、内蒙古自治区の5省(自治区)に及んだ。吉林省や遼寧省などの一部の地区でも砂やほこりが舞う軽い被害が出た。全国の大部分の地域が黄砂の影響を受けた2002年と比べると、範囲は大幅に狭くなり、比較的一部にまとまっていた。
国家林業局は、黄砂の影響が軽減した要因として(1)昨年の冬から今年の春にかけて西部地区で全体的に降水量が増加した(2)大気の活動が弱まった(3)黄砂対策の効果が出た――の3点を挙げた。
「人民網日本語版」2003年6月19日