甘粛省は7.92億元を投下して、わが国の砂嵐発生源の一つである河西回廊(甘粛省域内にあり、黄河の西に位置し、南に祈連山脈、北に砂漠や山脈にはさまれた長さ約1200㌔、幅100㌔の長い帯状の地帯)で100万ムー(15ムーは1㌶)の高効率の節水灌漑農業を発展させ、地元の砂漠化趨勢を緩和することを目指している。プロジェクトは現在入札募集の段階にあり、9月以降に全面的に着工する予定である。
気候乾燥の原因で、河西回廊は水資源が非常に乏しい。毎年3.5億立方㍍の地下水を取水しているため、生態系環境が急速に悪化し、わが国の四大砂漠源地帯の一つとなっている。水資源の不足は地元の経済・社会の発展をも制約し、扶助を受けた一部の農民はまた貧困層に逆戻りしている。
農業用水は河西回廊ではかなり大きな割合を占め、そして粗放型の状態にあり、多くのところでは、灌漑用水の利用率は45%以下となっている。これは地元の水資源不足と生態系の悪化をさらに深刻させている。したがって、高効率の節水灌漑農業を発展させ、耕地を減少することは、河西回廊の生態系総合整備における当面の急務となっている。
プロジェクト計画によれば、節水灌漑総面積は120万ムーで、そのうち、用水路による灌漑63.7万ムー、送水パイプによる灌漑36.9万ムー、スプリンクラー灌漑6.5万ムー、ドリップ灌漑12.9万ムーとなっている。省都の蘭州市にある16万ムー以外の104万ムーはすべて河西回廊にある。プロジェクト総投資額7.92億元のうち、日本国際協力銀行からの借入金は4.61億元となっている。
甘粛省水利管理局農業節水灌漑プロジェクトの関係筋によると、同プロジェクトは甘粛省ではこれまで最大の節水プロジェクトであり、完成後には毎年2億350万元の収益をあげ、1.46億立方㍍節水でき、1008万kw時の電力を節約でき、耕地占用も1.26万ムー少なくなる見込みである。それと同時に周辺地域の生態環境も効果的に改善されるだろう、と語っている。
「チャイナネット」2003/08/18