2000年以降の砂嵐の発生状況を見ると、2000年は15回、2001年は26回、2002年は16回だが、2003年は現時点で11回となっている。うち大規模な砂嵐では順に8回、10回、5回、そして3回。過去3年間の発生率は90年代の3倍に達したが、今年は発生回数が著しく減少したほか、砂嵐の主要な発生地であり影響の多大な西北部や北京地区では目だって少ない。
年初以来、砂嵐が減少している要因について、中国気象局減災(災害減少)司の阮水根司長に聞いた。
(1)2002年から今年の春にかけて北方地区で長雨が続き、土壌に十分な水分が行きわたったためだ。データによると、北方の砂嵐発生地では2002年の降水量が231ミリメートルに達したほか、一部の地区では洪水による被害も起き、過去3年と比べると目だって多い。冬を過ぎて春になると、発生地では降水量が42.2ミリメートルと平年に比べ15.5ミリメートルも多く、歴代同期としては過去3番目を記録した。
(2)今年の春は寒気団の勢いが弱く、強風の日が比較的少なかったためだ。北方地区では今年春の気温が過去同期に比べ3~6℃高くなり、温暖な大気によって強風の発生を防ぐことができた。3月から4月にかけて、5級以上の強風は去年同期に比べると著しく減少しており、遼寧省北部や吉林省西部などでも10~22日少なかった。
(3)防砂対策や耕地の森林・草原化が奏功したためだ。北方地区の生態環境を再生するため、政府は一貫して植樹・造林、耕地の森林・草原化を提唱してきた。2001年3月の時点で、造林面積は4666万7000ヘクタールに達して世界第1位となった。森林面積は1億5800万ヘクタール、森林カバー率は16.5%。草木1本も生えなかった北方地区が緑に覆われたことが、砂嵐発生の大幅減少につながった。
「チャイナネット」2003/11/06