科爾沁(コルチン)、毛烏素(モウス)、渾善達克、呼倫貝爾(フルンベイル)は、内蒙古にある中国の4大砂地と言われ、総面積は10万平方㌔以上である。庭園経済から始まった家庭オアシスは地元の人々が探りあてた生態系整備のモデルとなっている。牧畜民たちは囲む、封じる、植えるなどの手段で、家屋付近の砂丘の整備から着手し、逐次大面積の天然の植生の栽培が可能な砂丘を封じ、大自然の修復と人工的な措置を講じて、植生の再生に取り組んできた。流砂が基本的に抑えられると、適地適作の薪用林、経済林の植林に着手し、さらには井戸を掘り、食糧基地の付随施設を建設し、最終的には飼育を主とした牧畜業、集約化経営の家庭エコ牧場を形成するに至っている。
中国最大と言われる科爾沁砂地には、現在5万余りの家庭オアシスが現われ、20万㌶余りの砂地が整備されている。通遼市、赤峰市、興安盟では多くの家庭が植樹に適した荒れ地を請け負い、家庭ごと砂地の奥に入って造林した。その結果、3500ムー(15ムーは1㌶)の砂地がオアシスに変わり、すばらしい収益を上げている。
中国第二の砂地、毛烏素では農家の女性の牛玉琴さんと殷玉珍さんは自分たちの請け負った数万ムーの砂地を緑化した素晴らしい業績で、相次いで中国十大女性英雄に選出された。現在ますます多くの人たちが彼女たちにみならって家庭オアシスづくりに精を出している。家庭を主としたオアシスづくりを通じて、砂地の大規模な整備がおこなわれた。衛星写真を見てもはっきりとわかるように科爾沁、毛烏素砂地の生態環境には望ましい変化が現われ、過去において白く見えていた地域は点点と緑色に覆われるようになっている。
わが国の4大砂地はかなり良い水資源の条件に恵まれており、地下水がかなり豊富で、家庭オアシスのやり方による砂地の整備に適している。ここ2年間に、4大砂地では、放牧を禁じての家畜の飼育、ある区域では輪番放牧、季節的休牧を実行し、植生の回復を速めている。家庭オアシスの増加につれて、砂地が緑地に変わり豊かになることが期待されている。
「チャイナネット」2003/11/06