内蒙古自治区水利庁によると、オルドス高原のヒ素砂岩地帯では過去5年間に黄河に流入する土砂が年間2100億トン、合計1億トン近く減少した。
山西省と陝西省、内蒙古自治区の11県(旗・地区)にまたがる総面積3万2000平方キロのオルドス高原のヒ素砂岩地帯では、全国でも土砂流出が最も深刻で、年平均3億5000万トンの土砂が黄河に流れ込んでいた。このため自治区水利庁は1998年からこの地帯でサネブトナツメ栽培プロジェクトに着手し、この5年間に栽培面積は約12万6700ヘクタールに達し、土砂流出防止で大きな効果を上げた。プロジェクト実施期間は13年。完成後は年間1億7000万トンの土砂流失を防止できるという。
プロジェクト実施5年来で収めた成果について、同水利庁は(1)土砂流出が大幅に減少し、生態環境が改善された。現在プロジェクトを実施している地区では植生率が実施前より3ポイント上昇し、広大な不毛の地に緑が蘇った。侵食の激しかった多くの河道がサネブトナツメの栽培で補強されたことで、野生動植物の種類や数量が大幅に増加するなど、生態環境は著しく改善された。(2)農業の増産、農民の増収、農村の経済発展が促進された。プロジェクト実施地区ではサネブトナツメの育苗や栽培、収穫で農民1人平均収入は年間約100元ずつ増加した。(3)農業生産条件が整備され、発展を持続していく力が備わった。プロジェクト実施中のオルドス市のジュンガル旗では、土壌の浸食が年間190万トン減少した。整備の規模拡大、産業化に向けた開発で、土地の生産率は大幅に向上し、不毛の地はサネブトナツメなど果物畑に変わった。約6.67アール当たりの年間生産高は120元にのぼる―――の3点を強調した。
「チャイナネット」2003/11/26