西部地区の砂漠化を緩和できると、上海の科学者が開発した植生新技術に強い期待が寄せられている。
新技術を開発したのは、東華大学の俞鎮慌教授。6年の歳月をかけて茎基質草皮を大量生産できる栽培技術を開発し、先ごろ内蒙古自治区・フルンベル大草原の4ヘクタールの土地で行った実験にも成功した。
俞教授の実験室にある人工草皮でつくられた“フローチャート”によると、まず稲わらと麦茎、アブラナ茎などを砕いて細長い棒状にし、分解できる繊維を少量混入したのち、生産ラインで大量に成形して茎毛せんをつくる。
育苗の段階では農業施設を活用。隔離材料の上に茎毛せんと栽培基質を敷き詰め、草の種子と茎、高分子保水剤を適度にまいて約1カ月間、注意深く育成した結果、緑豊かな“草じゅうたん”が形成されたという。草じゅうたんを1ブロックごとに切り取ったのち、じゅうたんのように巻き込んで砂漠に搬送し、移植した。
俞教授は移植について「土地が平坦であるかはそれほど問題ではなく、一般的に言えば、水をかけて、じゅうたんのように敷き詰めればそれで育成できる。茎毛せんの厚さは普通、1センチは超えない。草の根は毛せんの底部になっていて、土壌に接触した途端、根は急速に土のなかに巻きついていく。砂漠化防止のコストを低減したければ、棒状に切り分けて、1平方メートルの草じゅうたんを数平方メートルに移植することも可能だ。それでも、じゅうたんは自ら成長していく」と話している。
関係機関や内蒙古自治区政府も俞教授が新技術でフルンベル大草原の砂漠に緑を蘇らせる実験に成功したことを重視。科学技術部は先ごろ、この研究課題を砂漠整備プロジェクト「西部行動計画」に盛り込んだ。俞教授は「新疆ウイグル自治区や内蒙古には年間、砂ぼこりの約40%が吹き込まれているが、“緑のじゅうたん”は必ず砂嵐の襲来を食い止めるだろう」と胸を高鳴らせた。
「チャイナネット」2004/04/16