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西北部生態環境の悪化要因を指摘・科学院研究員

西北部の生態環境は長年にわたる整備事業により一部地域でやや改善されてはいるが、全体的には依然悪化の一途をたどっている。生態環境の好転に影響をおよぼしている要因について、中国科学院の研究員が土地の砂漠化、水資源の不足、植生率の低さ、人間と土地との係わり方、この4点を指摘した。

西北部の生態環境への影響要因について、中国科学院寒区旱(干ばつ)区環境・工程研究所の凍土工程国家重点実験室の馬松堯研究員は先ず、土地の砂漠化が深刻化し、土地の退化が悪化していることを挙げた。現在、全国の砂漠化面積は262万2000平方キロ、年間2460平方キロのスピードで増大している。西北部では、砂漠化面積は146万9000平方キロで、全国の56%。土砂流失面積では、174万600平方キロで全国の47.14%、西北部総面積の57.04%を占める。

馬研究員は第2の要因として水資源不足、水資源をめぐる生態環境のアンバランス、河川の水枯れ、湖沼の劣化、地下水位の下降を指摘。西北部では、降水量が少ない一方で蒸発量が多いために水資源が欠乏し、干ばつが頻発している。面積は国土の3分の1を占めるが、水資源総量では全国の10分の1に過ぎない。降水量は東南部から西北部に進むにつれ減少していく。湖沼の多くは気候や人間の生産・生活の影響を受けて、面積が縮小しており、すでに干上がった湖沼もある。西北部最大の淡水湖である新疆ウイグル自治区のアイビ湖は、1950年代に1200平方キロあった面積は500平方キロまで縮小。青海・チベット高原でも、湖沼の30%以上が乾燥して塩湖に。黄河源流地帯でも多くの湖沼がすでに水枯れしている。馬研究員は「西北部の持続可能な発展にとって、水不足と干ばつが最も突出した問題だ」と強調した。

第3の要因は、植生率の低さと質・機能の低下。森林面積は約225万2000ヘクタール、カバー率はわずか4.87%で、全国平均の12.98%をはるかに下回る。河川の源流地帯での森林植生は劣化し続けており、水源を涵養し、河川水を地下に安定して浸透させる機能も著しく低下した。草原は面積としては広大だが、干ばつあるいは半干ばつ地帯に草木がまばらに点在するのが大半で、総面積の75%がすでに退化している。

第4の要因として、馬研究員は人間と土地との係わり方に大きな問題があると指摘した。西北部の生態環境は極めて脆弱であるため、土地の利用はかなり制限される。過度の人口増による土地資源の過度の利用と、多方面にわたる開発が植生を破壊し、土壌の肥沃化を低下させた。そのため、もともと脆弱だった生態環境をますます悪化させたにとどまらず、潜在的な脆弱性、措置を講ずれば改善することも可能だった脆弱性をも現実化してしまった。

馬研究員は「西北部の生態環境と経済・社会発展の良性な連動、この研究はある程度成果を収めた」と語るとともに、その結果をもとに、オアシスや黄土高原、草原地帯、隴南(甘粛省南部)山間部、黄河流域の灌漑地帯など、その土地の地理的環境に即したエコ農業を定着させる方法を提起している。

「チャイナネット」2004/05/06

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