北京市は天津市などを含む砂嵐発生源地帯の整備プロジェクトを一段と加速させる。2008年までに2万ヘクタールの荒れ地を整備・開発するとともに、6万8700ヘクタールの森林を改造し、2020年までには砂嵐による災害を食い止める計画。
17日は、国連が定めた10回目となる「砂漠化および干ばつと闘う世界デー」。これを受けて北京市林業局の王蘇梅副局長は16日記者会見し、「北京や天津などでの砂嵐発生地帯の整備プロジェクトは顕著な成果をあげた。2000年に実施して以来、造林面積は15万8000ヘクタールに達し、首都全体の生態環境は著しく改善された。砂嵐による被害は軽減し、この2年近くの間、春に大規模な砂嵐は発生していない」と強調した。
整備プロジェクトは、北京の平谷や蜜雲など山間部に位置する6つの区と県のほか、天津市と内蒙古自治区、河北省、山西省の69の県(地区)が対象。立ち入りを禁止した森林育成、耕地の森林化、飛行機を利用した種子散布造林などの手段を採用し、「砂漠化防止=緑化=繁栄」を目標に進めてきた結果、砂漠化産業が急速に成長しつつある。果物や花卉栽培、養蜂業、種苗業、促成林業、森林観光などグリーンな産業が主体で、住民の生活も向上してきた。
さらに王副局長は「プロジェクトは大気の質的改善や、北京の飲料水源の保護にも大きく貢献するなど、その生態効果が表れはじめている。昨年の北京の懸濁顆粒物は前年同期に比べ48%も減少し、吸入顆粒物も同じく29%低下したほか、林木による二酸化硫黄吸収量は1万192トン、酸化物吸収量は114トン増大した。昨年の2級、2級を超える好天気は224日間と年間の61.4%を占め、前年より21日増えた」と強調した。
現在、北京市の林地面積は83万ヘクタール、林木カバー率は47.5%、森林カバー率は34.3%。
「チャイナネット」2004年6月18日