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中国の草原、生態系保護の正念場に

中国農業科学院草原研究所の徐涛所長はこのほど記者の取材を応じた際、草原の砂漠化、退化の深刻な状況について語り、中国の草原は生態系保護の正念場にさしかかっていると語った。

統計データによると、中国には利用可能な草原が合わせて43億ムー(15ムーは1㌶)あるが、草原の退化現象が深刻であり、放牧に適し、条件の良い草原はわずか20%である。こうした砂漠化、退化の趨勢は内蒙古自治区の草原ではさらに深刻で、自治区全域6359万㌶の草原の60%が沙漠化、退化している。そのうちフルンベイル草原とシリンゴロ草原の沙漠化、退化率はそれぞれ23%と41%に達し、オルドス草原の沙漠化、退化面積は68%以上に達している。

徐涛所長によると、中国の草地牧畜業が農業の産業構造に占める割合はわずか5%であるが、先進国での平均値は60%以上である。持続可能ではない草原の生態系は環境と社会経済の発展を持続させることもできないので、現在の生産様式と飲食構造の改革が求められている。現在中国が所有する草原の回復、改良および管理の面の技術は先進国に劣ってはおらず、しかも大規模で、ハイテクによってサポートされ、現代化した牧畜業を発展させる条件がそろっている。しかし、草原の沙漠化、退化の根本的な対策は、生態系保護の角度から総体計画を実施し、在来の農耕区域と放牧区域の境界線を打破し、湿地草原、典型的な草原、半沙漠化地域、荒れはてた沙漠地域などそれぞれの特徴にもとづいて、それ相応の対策と保護措置を講じて農業と牧畜業を結びつけた生産をおこなわなければならない。

現在、草原のある地域の政府は小面積の草原の建設によって広域面積の草原を保護し、草と家畜のバランスを保ち、草原において休牧と輪牧の制度を実行し、高効率の人造草原と飼料生産基地をつくり、牧畜民の生活問題を解決することを目指している。これと同時に退化の深刻な草原も初歩的に整備され、草と家畜のバランスが基本的に実現している。

「チャイナネット」2004/06/30

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