チベット自治区農牧庁によると、「第10次五カ年計画」(2001~2005年)期に、国は7000万元を計上してチベットの天然草地保護と整備にあてることを計画している。現在4300万元の投資を使用して、40万ムー(15ムーは1㌶)あまりの人工飼料基地と草原を囲い込み、草地資源を効果的に保護している。我が国の5大牧畜区の一つであるチベット自治区には、8200万㌶あまりの天然草地があり、中国の天然草地の約25%を占め、2400万頭あまりの家畜が放牧されている。
近年らい、気候の温暖化と人口の増加につれて、家畜の頭数も急増している。それによって、牧草の供給に矛盾が現れ、過度の放牧で草地資源の退化と砂漠化も深刻な様相を呈している。
草地資源を保護するため、自治区政府は2001年から「天然草地の整備と保護」プロジェクトを実施している。農牧庁計画財務処のアワン(阿旺)処長によると、政府は従来から天然草地の保護を重視しており、今年だけでも草原の放牧禁止プロジェクトに1800万元あまりをあてた。現在、チベットでは草原の退化、砂漠化、荒漠化現象が効果的に抑制され、牧畜区の生態環境にも著しい改善が見られる。しかし、関係専門家は、天然草地の保護には国からの資金投入のほか、科学的な草地管理メカニズムをより健全化することがチベット牧畜業の発展にとって当面の急務であると指摘している。
「チャイナネット」2004/09/29