中国の科学者が多様な効力を一体化した「砂漠化植生回復多効能複合材料」である『生態回復剤』の開発に成功した。これは砂漠化対策における新たな技術革命となるものであり、中国西部地区の生態系整備・緑化にとっても重要な意義を持つものである。
中国科学院蘭州化学物理研究所の王愛勤研究員らが開発したこの新製品は、このほど馮宗煒院士(アカデミー会員)を主任委員とする専門家グループの鑑定にパスし、技術面では世界先進レベルに達している、とされている。
研究者たちは植生生態系整備におけるファンクション化学材料の開発・応用面の欠点に対応して、この『生態回復剤』を研究・開発し、受動的に「輸血」を受ける現状を徹底的に変え、植生に「造血」の機能を与えることになった。それは水分保持、耐干ば性、土壌の物理・化学性質の改善、水分・肥料を蓄える機能の向上、水土流失の防止、土壌のアルカリ化の抑制、土壌を活性化して土壌の潜在エネルギーを掘り起こし、植物へ栄養を補給し、ゆっくりと栄養を放出し、植物の根の成長を促すなどさまざまな作用がある。
王愛勤研究員によると、『生態回復剤』は甘粛省、内蒙古自治区など自然環境の劣悪な広大な地域で、すでに3年間をかけて20万平方メートルの面積でのさまざまな植物の種を利用しての実地草木育成応用テストを行った結果、これまでと比べて苗木の活着率が15%~25%以上向上した。干ばつ地域、高アルカリ性の高速道路沿線、荒れ山・荒地での造林テストでは活着率が15%以上向上した。
中国は世界で砂漠化の最も深刻な国の1つであり、当面、砂漠化は局部的に改善してはいるが、全体としては進行状態にあり、依然として毎年約3千4百平方キロメートルのスピードで広がっている。毎年砂漠化による直接の経済損失は540億元に達している。専門家グループは、機能型複合材料の発展は自然環境の劣悪な西部地区の生態系整備に極めて大きな意義がある、と語っている。
「チャイナネット」2005年3月23日