外交部の李肇星部長は26日午後、ラゾフ駐中国ロシア大使と会見し、吉林市の化学工場で起きた爆発で黒竜江（ロシア名：アムール川）の支流である松花江が汚染され、黒竜江下流のロシアの人々に被害を与えるおそれが出たことについて、中国政府を代表して謝罪した。また、ロシア側に対し、松花江の水質汚染に関する状況と中国政府の措置を説明した。李部長はこの中で、中国側が真剣かつ責任ある態度で事件への対応に当たっており、今後も引き続きロシアに定期的に関連情報やデータを提供する意向を伝えた。

ラゾフ大使は中国からの報告に謝意を述べるとともに、状況をロシア首脳に伝えると表明した。ラゾフ大使はロシアの政府・国民を代表し、今回の事故で中国側に死傷者がでたことや、松花江下流で深刻な水質汚染が起きたことについて、同情と見舞いの言葉を述べた。また、ロシアの中央政府・地方政府が同災害による影響に関心を寄せていると表明。災害はロ中両国が直面する共通の試練であり、双方は戦略協力という視点から同事件を捉え、意思疎通や協力を強め、共同で効果的な措置を取り、被害を取り除く必要があるとした。ラゾフ大使は、中国が事件についてロシアに協力する意向を示したことに対し、謝意を伝えた。

国連環境計画（UNEP）に常駐する中国の張世綱副代表は26日昼、国連事務総長補佐（UNEP副事務局長）と会見し、松花江の水質汚染に関する状況を説明した。張副代表は、事件発生の経過を説明した上で、汚染物質や汚染度に関する詳細なデータをUNEPに提供した。UNEP側は中国政府が汚染事件に関する状況を迅速にUNEPへ通報したことに、謝意を述べるとともに、中国の各クラスの政府が取った迅速かつ効果的な措置を称賛。また、中国の必要に応じて必要な援助を提供する意向を示した。

「人民網日本語版」2005年11月27日