額済納（エチナ）のオアシスは内蒙古最西部、阿拉善（アラシャン）地区のゴビ砂漠の中にある。年間降水量はわずか40ミリ程度にもかかわらず、水の蒸発量は年間3000ミリにも達する。かつてオアシスには5万ヘクタールにもおよぶ胡楊樹（ポプラの一種）などの潅木林があった。オアシスをうるおす黒河の水の過度の利用により、黒河の下流が断流してしまい、1992年にはオアシスの命脈であった居延海が干上がり、アラシャン地区の生態系は悪化、華北および西北地区の砂漠化への深刻な脅威となった。2003年から政府は黒河の分水、節水などのプロジェクトを実施し、居延海はその一部の水域を回復し、エチナのオアシスも徐々に縮小の勢いが食い止められるが、オアシスの枯れた胡楊樹が生態系の危機を示している。(編集YT)

  「人民網日本語版」2007年7月11日