地球温暖化によって、中国の「母なる川」と呼ばれる黄河の上流地域、水源地から最初のカーブである甘粛省瑪曲県区間の流水量は20年前に比べると60%以上減少し、瑪曲草原の面積も40%以上減少した、と甘粛省気象局が発表した。
瑪曲県を流れる黄河は430キロあまり、同区域から黄河に流れ込む水量は毎年45%におよび、「黄河の貯水池」とも呼ばれている。観測データを分析すると、1980年から2004年までの25年間、瑪曲県において黄河に流れ込む水量は38.5億立方メートルから13.8億立方メートルに年年減少し、「貯水池」の役割が目に見えて低下してきている。
甘粛省気象局と関係部門の研究によると、気候変動が黄河の瑪曲区間の貯水能力を低下させた主要な原因であるという。温暖化によって、瑪曲草原の凍土層が深刻な影響を受け、1970年代には120センチだったものが現在では70センチ足らずになった。凍土層の減少あるいは消失は、土壌の蓄水能力が低下し、更に多くの水分が蒸発、あるいは地下のより深いところへ沈下することを意味している。それと同時に、人類による過度な自然利用が生態系を破壊し、草原の自然環境を悪化させ続けている。衛星からの遠隔観測データにより、1990年以来の瑪曲草原の面積は45%減少し、荒地、人間の住んでいる地域、砂漠化した土地はいずれも大幅に増加する趨勢にあることがわかる。
「チャイナネット」2007/09/12