海南省東方市。かつて「イメージプロジェクト」と見られていた九龍広場には今、「退耕還林(耕地を森林に戻す)」のための苗木作りの拠点が約42.7ヘクタールにわたって広がっている。海南省が目指すエコロジー省の建設は、同省の隅々に広がりつつある。
海南省は一年を通して花が咲き乱れていることで古くから有名な土地だ。しかし、ここ10年以来の生態環境の変化は大きい。防海林(沿岸部の砂漠化を防ぎ生態環境を保持する役割を持つ山林)がひどく破壊され、10万ヘクタール近い湿地が砂漠化し、河川やダムの流水量や貯水量が減少、汚染を受けた海域面積は約40平方キロメートルに及ぶ。
今年5月、共産党海南省委員会の衛留成書記が省の党代表大会のなかで、「生態立省(エコ事業推進によって省を発展させる)」を海南省の科学的発展の戦略的な支点とし、海南省の生態環境改善を進めていくことを呼びかけた。海南省政府と各市県、重点企業は「海防林の建設」「エネルギー節約と排気量減少」「耕地の保護」という3つの責任を果たしていくことを宣言。山林や河川や海など自然環境を保護するための行動が開始された。海南省の生態環境作りは全面的に進められつつある。
具体的な行動は森林の保護からスタートした。海南省では今年、天然林保護区に入れられていない省内26万ヘクタールの森林に対し、省財政から1ヘクタールあたり75元の補助金を出している。同時に「文明生態村」の建設も進め、すでに省内の村落の29.6%を占める6900カ所の文明生態村が建設された。援助を受けた20万あまりの農家がメタンガスプラントを造成、これにより毎年10万ヘクタール近くの熱帯雨林が保護できるという。
「人民網日本語版」2007年11月1日