中国黄河保護基金が20日、鄭州で設立された。同基金は黄河水利委員会が発起、中国水利業界初の公募による基金となる。

黄河は中華民族のゆりかごであり、中華民族の母なる河としてあがめられてきた。しかし黄河は同時に特殊な事情を有する河でもあり、治水が極めて困難な河川でありつづけた。水量は少なく砂が多く、水と砂の源は異なり、水土の流失が深刻で、「天井川」を呈している。歴史的にも洪水・決壊・氾濫が頻繁に発生、被害は深刻だった。新中国成立後、黄河の治水開発は新たな歴史的段階に入り、この60年間安泰で、頻繁に決壊していた局面が転換された。

黄河は全国の2％の水量で15％の土地を灌漑し、12％の人口を養い、全国GDPの11.5％を支えている。また、青島、天津、河北などの各地への水資源供給の役割も担っている。社会経済の発展に伴い、工業、農業、都市、生態に利用される水量は日増しに増大し、有限な水資源と高まるばかりの需要との間の矛盾がますます突出してきている。さらに、地域によっては環境を犠牲に富を得るといった現象が依然として存在、植生が破壊され、汚染の深刻化が進み、利用可能な水資源総量が減少している。

水利公益事業の発展を促進し、クリーンな黄河の生命線を維持、より多くの国民の関心を喚起し、国際社会および社会各界が一体となって母なる河の保護行動に参与すべく、国務院は黄河水利委員会（黄委会）に対し先月、中国黄河保護基金の設立を正式に認可した。公募基金となる同基金は主管部門を水利部とし、黄河に関心のある国内外の組織・機構・個人からの寄付を受け付ける。各界からの寄付は黄河流域地区の整備に充てられる。

「人民網日本語版」2009年10月21日