木蘭渓の仙遊区間
「美しい河と湖」の取材団は10月13日から15日に福建省の莆田を訪れ、木蘭渓の流域を歩いて現地の治水による経験と成果を取材した。
木蘭渓は昔から年中災害が起こり、被害を受けた住民たちが洪水の発生を嘆いてきた。今では木蘭渓の全流域で整備が進み、大きな成果を上げている。山地と丘陵が広がる上流域では、生態保護を重視。中流域の河谷と盆地、下流域の平野には街が発展して人口が集積しており、環境整備を中心に水質向上を目指した。下流域の濱海平原では生態修復を中心として、特に南北洋平原水路網の生態修復に重点を置き、ライチ林帯と生態緑地の保護や木蘭渓河口湿地の体系的な修復を進めている。
木蘭渓では2013年に仙遊周辺の洪水防止生態景観工事が実施され、2017年3月に河の管理責任を定めた「河長制」が始まった。仙遊県は作業メカニズムを刷新し、ドローンによる河の巡視を実施。河のデジタル巡視や家畜飼育のデジタル監視などを進めたほか、実情に合わせた「一村一池塘(各村に一つの調整池)」を設け、天然クリークを活かした生物と生態の自然修復を促すことで水の自浄作用を改善し、河川の水環境圧力を軽減する目標を達成した。