媽閣廟は澳門半島西端の媽閣山の西側の山腹にあり、主として山門、鳥居、正殿、弘仁殿、観世音殿および正覚禅林からなり、これらの建築物は緻密かつ精巧なもので、十分かつ自然に融合しており、配置状況は入り混じっているように見えるが秩序整然としたものである。明(1368-1644)の頃においては、媽閣廟は「天妃廟(宮)」と呼ばれ、清の道光8年(1828)に再建した時に山門を新規増加し、額の上の名称は「媽祖閣」となり、一般には「媽閣」と呼ばれており、また「正覚禅林」と呼ばれることもあり、その時になって媽閣廟ははじめて一応の規模を持つに至った。1874年と1875年に媽閣廟は前後して2回も火災で破壊をこうむった。1875年、住民の募金で再建に着手し、1887年(清の光緒13年)に完工し、今日の姿となった。
媽閣廟の本殿には天后が祭られており、「神山の第一殿」といわれ、殿内に明の万暦33年(1605)の築造当初の石刻が保留されている。このため、媽閣廟は澳門に現存する廟の中で考証が可能な実物の存在する最も古い廟であり、もとの建築物が最も長く保存されてきた澳門の文化財でもある。
「チャイナネット」2005年5月