鄭家の豪邸は1881年頃に建てられ、近代の著名な人物鄭観応の祖先から受け継いだ家屋で、広西地域の中庭のある建築物の風格を持つものである。澳門特別行政区文物局は2001年にこの建築物群を接収管理し、もとの姿に照らして修復作業を行った。この豪邸の建築範囲(敷地面積)は約4000平方メートルで、媽閣通りの方向に沿って120余メートルも突っ込み、主に2カ所の四合院(真中の庭を囲んだ4棟からなる中国の伝統的な住宅)建築物および奥にある庭でつながっている召し使いの居住区の建築物と正門建築物などからなっている。メーンの建築物はいずれも黒いレンガを主要な建築材料とし、屋根の平面がつながっている中国風の傾斜した屋根で、建物の高さは建築物区域の性質によって違っている。召し使いの居住区の建物は一般に1階建ての硬い破風式の建物であり、平たい屋根の建物もある。メーンの家屋区の建物の多くは2階建てで、3階建てのものもある。
この建築物群は主に中国建築物の形と構造で建てられ、同時に至るところで中国建築物と西洋建築物の風格を結び付けた特色をも具現しており、そのうち、屋根、梁の構造、建築材料、泥浮彫り、軒もとの壁の色絵および奥にある家屋の多種多様な窓などは中国風の建築手法を表わすものであるが、室内の天井の処理、ドアのかまちの上方の横木と窓格子の意匠、軒口線と雲母窓(インドから伝わってきたもの)などは西洋と外国の影響を受けていることを表わしている。
「チャイナネット」2005年5月