分布する地域 回族は新疆に広く分布しているが、おもに昌吉回族自治州、焉耆回族自治県と五つの回族郷に集中して住んでいる。
人口 新疆地区の回族の人口は86.67万人で、新疆の総人口の4.48%を占める。
言語 漢語と漢文を一般には使っているが、アラビヤ語とペルシア語の単語もいくらか残っている。
歴史 新疆の回族は主として13世紀に蒙古軍勢が西域に攻め込んだ時に中国に連れてきた中央アジア、西アジア地域のイスラム系の民族の兵士や職人であり、「探馬赤軍」として蒙古軍に編入され、「回回」と呼ばれていた。至元十年(1273)元の世祖は探馬赤軍が「どこででも社に入り、編民と等しいものであるべし」と命じたので、大勢の回回軍は社という編成で開墾にたずさわることになった。新疆は探馬赤軍の重要な開墾地区であった。元の時代、新疆のチャンジ、阜康(フーカン)、吉木薩爾(ジムサル)、イリ川流域、喀什噶爾(カシュガル)、ホータンなどの地区にはいずれも回回が定着して農業に従事したところがある。18世紀中期以後の清朝の頃、中国の他地域の大量の回族の人たちが新疆に移住し、現在、新疆にある回族の主体をなすに至った。
生産様式 新疆地区の回族は主に農業に従事しているが、手工業や商業にも従事している。
飲食 小麦粉で作った食品を主食とする。主に「拉条子(ラーティアオズ)」「揪片子(ジュウピアンズ)」「哨子面(シァオズメン)」「花巻(ホアジュアン)」「蒸肉」などがある。
文化 回族の人たちの間では口承の伝説と民間の叙事詩がとても豊富である。「花児」「小調」「宴席曲」などの民間の歌謡がある。
祭日 ルゥオズ祭を主要な祭りとし、コルバン祭を規模の小さな祭りとしている。
宗教 イスラム教を信仰し、大坊と小坊という二つの教派に分かれている。大坊は「格底木(ゲデム)派」と「虎夫耶(フゥフーイエ)」系列の総称で、小坊は「哲合林耶(ジョホリンイエ)」の系列を指す。
服飾 回族の人たちの服飾は簡潔である。男子は頂の丸い形の平らかな白い帽子をかぶり、白いシャツに黒いチョッキを着ているが、女子は頭巾か白い帽子をかぶり、よく装身具を身に着けている。
結婚に関する風習と風俗 回族の人たちは一妻一夫制を実行している。
住居の特徴 回族の伝統的な住居は平屋で、南向きで、門一つと窓二つ、土の壁と木構造の平屋根か切り妻式のような屋根がある。今では、高層マンションに住んでいる人も少なくなく、居住状況も改善されている。
「チャイナネット」 2005年5月
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