一般の人々の心の中の「白衣の天使」たちには、意外にもかなりの人が喫煙しており、そして医師たちの喫煙者への禁煙に関する影響力が欠けているように見える。これは5月31日、中国衛生部が公表した調査レポートで明らかにされたものである。調査の結果によると、23.1%の医師が毎日喫煙している。調査対象となった医師の中で、喫煙者に協力して禁煙プランを制定できる医師はわずか7.1%であった。
5月31日は第18回目の国際禁煙デーにあたり、今年のテーマは「医療関係者と喫煙の抑制」である。昨年9~11月に、中国衛生部の要請で中国疾病予防・抑制センターは天津、ハルビン、蘭州、成都、武漢、広州の6つの都市でサンプリング調査を行った。調査の結果では、23.1%の医師が毎日喫煙しており、そのうち男性医師の喫煙率は41%、女性医師の喫煙率は1.0%であった。40~50歳の男性医師のたばこ中毒が最も深刻で、毎日喫煙しているものは50%を上回り、1割(12.2%)の男性医師に至っては、患者の前で堂々とたばこを吸うこともあるという。
今回調査を受けた医師の中で、95.1%医師は喫煙は肺ガンを招く恐れがあることを知っているものの、喫煙とその他の病気の関係についてはあまりよく知っていないようである。23.9%の内科医は喫煙が冠状動脈性硬化症を招く重要な要因であることすら知らなかった。40%の医師は喫煙と肺結核の因果関係が分からなかった。喫煙者がインポテンツになる確率は喫煙しないものより約5倍高いものとなっているが、調査では喫煙がこの症状の主因であることを知っている医師は50.8%にとどまっていた。
そのほか、医師の喫煙者への禁煙に関するサポートの状況も思わしくない。中国には現在3.5億の喫煙者がおり、喫煙は1種の慢性的な癖となる病気として、禁煙には医師の治療とサポートが必要である。患者のために禁煙プランを練り、禁煙プロセスにおける体の不具合をやわらげ、禁煙を助ける薬の提供などが医療関係者として持つべき基本的なサポート力である。しかし、今回の調査では、喫煙者に禁煙プランを制定できる医師はわずか7.1%であることが分かった。
先進諸国で喫煙率を低下させた効果的な経験の1つは、医療関係者の喫煙率低下の影響で全国民の喫煙率をも低下させたことにある。しかし、残念ながらこの調査では、中国の医療関係者の喫煙状況は深刻で、その中で禁煙サポートに携わっているものはなお少数と見なされている。
専門家は、タバコの害はすでに当面世界で最も深刻な公共衛生問題の1つとなっており、人類の健康が直面する最大の予防可能な危険要素であると見ている。専門家らは、医師たちが自分自身を手本として、人々に喫煙しないよう提唱し、喫煙者の禁煙サポートを自らの果たすべき役割、自らの責務として取り組んでいくよう呼びかけている。
「チャイナネット」2005年6月1日