国家環境保護総局の王玉慶と汪紀戒両副局長は2日の記者会見で、中国の昨年の環境保護事業や都市環境保護事業の実施状況を説明した。王副局長は中国の都市部環境保護が直面する主な問題について、次の4点を説明した。
(1)粗放的な経済成長モデルと、都市部人口の継続的な増加が、都市の環境への負担を激化させている。
(2)都市部の環境の現状、改善の進度は、まだ社会のニーズを満たせていない。
現在、中国都市部の大気汚染物質は主に粒子状浮遊物。500都市を対象に昨年まとめた統計によると、大気環境レベルが2級(居住区基準)に達しなかった都市は290カ所、3級以上の都市は119カ所だった。水質基準の達成率が50%以下の都市は50カ所に達し、一部都市では飲用水の水質が基準値を下回った。都市部住民が訴える環境問題のうち多いものは、ゴミや自動車の排気ガスによる汚染、騒音被害、粉塵による汚染、飲食産業の油脂排出による汚染などで、住民の生活に直接的な影響をおよぼしている。
(3)都市部の環境インフラが持続可能な発展を支えられない。
中国都市部の環境インフラ建設はかなり脆弱だ。昨年の500都市の調査によると、都市部の下水処理率は平均でわずか32.33%で、193都市は0%だった。生活ゴミの無害化処理率は平均57.76%で、160都市が0%。危険廃棄物(特に医療廃棄物)の集中処理率は平均60.44%で、155都市が0%だった。
(4)新たな環境問題が出現している。
都市部の環境汚染が拡大を続けている。都市の周辺地域の水資源(地下水を含む)、土壌、大気の汚染が目立ち、都市間や、都市・農村間のバランスのとれた発展に影響を及ぼしている。
自動車排ガスによる汚染が深刻化している。中国は世界で4番目の自動車生産国であり、3番目の自動車消費国だ。中国の昨年の自動車保有台数は2742万台に上った。
都市の生態環境のアンバランスが深刻化している。ヒートアイランド現象や都市砂漠などの問題が生じている。都市部の生態環境の悪化は、環境を支える自然生態系の力を弱め、資源・環境の供給と都市部の社会・経済発展の矛盾を深刻化させる。
「人民網日本語版」2005年6月2日