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戦犯の個人責任は追及しなければならない(評論)

日本の一部の政界要人がA級戦犯のために事実をくつがえす誤った意見を口にするのは「A級戦犯のいわゆる平和・人類に対する罪とは占領軍が勝手に造り出したものだ」といういわゆる「任意裁判論」のためだ。この暴論は日本で非常に広まっている。

極東国際軍事裁判はA級戦犯に「平和に対する罪」「人類に対する罪」の判決を下し、彼ら個人の戦争責任を追及した。法的根拠のない「任意裁判」では決してない。これは国際法において先例がある。第一次世界大戦後、「ベルサイユ講和条約」第227条の規定により、連合国(協商国)は米国、英国、フランス、イタリア、日本の5カ国で構成した特別法廷を創設し、ドイツ前皇帝ウィルヘルム2世による国際道義と条約の尊厳を破壊した戦争犯罪を追及しようとした。しかしウィルヘルム2世がオランダに亡命したため、裁判は結局実現しなかった。このほか、1928年の「不戦条約」と「国際司法裁判所規約」などにも関連規定がある。

極東国際軍事裁判が日本の戦犯を裁く基礎的法律文書として、1946年の「極東国際軍事裁判所憲章」第5条で「平和を破壊した罪」「戦争犯罪」「人道に対する罪」の3種の戦争犯罪が明確に規定された。

(1)平和を破壊した罪――侵略戦争の宣戦、あるいは宣戦なき侵略戦争の計画、準備、発動、執行。あるいは国際法、条約、協定、保証に違反した戦争の計画、準備、発動、執行。あるいは上述のいかなる犯罪の共同計画や共同謀議への参画。

(2)戦争犯罪――戦争法規や戦争の慣例に違反した犯罪行為。

(3)人道に対する罪――戦争前や戦争中の殺害、民族絶滅、奴隷使役、暴力の威嚇による住民追放、その他の非人道的行為、あるいは政治的理由に基づく人種・民族への迫害行為。

こうした迫害行為の完成または共同謀議が同裁判所の管轄する罪状に帰するとして、犯罪者の所在地の国内法に背くかどうかは問わないとしている。

同様にナチス・ドイツに対するニュルンベルク裁判でも上述の三大戦争犯罪が確立された。関連国際法原則は1946年12月の国連総会で採択された「ニュルンベルク国際軍事裁判憲章および法廷で適用されるべき国際法原則」(ニュルンベルク原則)の中で体現されている。国際法の犯罪行為に従事、構成した者すべては国際刑事責任を負うべきであると明確に定め、かつ個人責任は国家政策や上官の命令を理由に免除されることはないとした。1968年11月、国連総会は「戦争犯罪および人類に危害を与えた罪(人道に対する罪)の法定時効条約不適用」決議を採択した。戦争犯罪は「法定時効」が適用されないと定められ、いくら時間が経てもその法的責任は免れないとした。このため、今日に至るまで、逮捕を免れたナチス戦犯は今なお追跡されているのである。

第二次世界大戦中、日本軍は中国で南京大虐殺、労働者の強制連行、女性に対する軍事的性奴隷(慰安婦)の強要、細菌戦、人体実験などの戦争犯罪を行った。この侵略戦争の発動と人道主義に違反した戦争犯罪人が厳しく処罰されなければ、塗炭の苦しみを悲惨にも味わった数千万の犠牲者は慰められず、次世代の人々も安心できず、戦争の悲劇を再び繰り返すことが避けられない。東京裁判とニュルンベルク裁判の意義は、個人が国際刑事責任を負うという国際法の原則を正式に確立したことにある。すなわち、侵略戦争の画策、発動は国際法に違反する犯罪行為であり、戦争犯罪者は必ず国際法において個人の戦争責任を負わなければならないとしたことである。

1970年代以降、日本では南京大虐殺の否定やA級戦犯の靖国神社合祀、歴史教科書事件、東京裁判の否定など一連の「おかしな事」が続けて起きている。これは日本の政治方向やアジア・太平洋地域の平和と安定に対する悪い影響を生んでいる。日本が国際社会と近隣諸国の信用を得て、より大きな国際的役割を果たしたいなら、必ず歴史を正視して、戦争犯罪を徹底的に清算しなければならない。日本の一部の人による第二次世界大戦の戦犯「擁護」は、人類共通の価値規範を踏みにじり、平和発展の国際潮流に背を向けることである。

「人民網日本語版」2005年6月10日

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